BMW 320i E91 エンジンオイル消費問題【オイル下がり編】ABA-VR20

BMW整備・修理実績

BMW 320i E91 エンジンオイル消費のトラブル【オイル下がり編】

2005年式のE-91を所有している者です オイル上がり、下がり修理の相談依頼

2005年式のE-91を所有している者です。オイル上がり、下がり修理の相談です。症状としましては、6~7年前から白煙症状に悩んでおりまして粘度の硬いオイル(15W-50や10W-60)を使用してオイル消費の問題を凌いでおりました。

 最近、硬いオイルを使用しても短時間のアイドリングや加速時に白煙症状が出るようになりオイル消費も以前より早くなった感じです。エンジン始動時は特に白煙は無いのですがアイドリングを10~15分位した後に走り出すと相当な量の白煙を吐く感じです。又、アクセルを5~6千回転位、踏み込んだ際にもやはり白煙症状があります。

 何れもバックミラー越しでもわかる位の白煙量です。それがオイル上がりなのか下がりなのかもわからない状況なのですがまだまだ乗り続けたいと考えております。

 御社(HakkaiAuto)でこの手の修理をお願いしようとした際、どの位の修理費用が掛かるか概算でも結構なので教えて頂けないでしょうか?

ユーザーの切なる願いにこたえるべきエンジン修理を行う

まずオイル下がりとはどんなことを言うのか?

オイル下がりとは吸排気バルブのバルブステムシールが劣化することで、すき間からエンジンオイルが燃焼室に入り込んで燃えてしまう不具合です。エンジン始動直後やアイドリング状態でもマフラーから白煙が出るようであればオイル下がりを疑います。

バルブステムシールとは?

エンジンには吸排気バルブがあります。吸排気バルブはシリンダーヘッド部分に配置されていて、ピストンの動きに合わせてタイミングよく開いたり閉じたりを繰り返し混合気を入れたり排気ガスを出したりしています。

吸排気バルブには気密性が求められます。バルブ(弁)が閉じているはずなのに、そこに隙間があったら、本来なら燃焼室に混入してはいけないエンジンオイルが隙間から入ってしまいます。

バルブステムシール 左が10万㌔超えた古い物、右が新品になります

そこでバルブステムとバルブガイドがピタッと密着するようにシールパッキンが必要になります。

これが「バルブステムシール」です。

バルブステムシールの寿命や交換時期は?

バルブステムシールの寿命は使い方次第ですかね。こまめにエンジンオイルの交換をしていれば10万キロは普通にもつかと思います。エンジンオイル交換を怠ったりするとオイル内にエンジン各部の金属粉が混じって、この金属粉がステムシールに悪さをします。

つまり、傷をつけたり硬化させたりして隙間を作り、エンジンオイルの燃焼室内への侵入を許して、いわゆる「オイル下がり」になってしまいます。オイル下がりになってしまったらステムシールを交換するしかありません。

BMW E91エンジンはN46B20B、排気量は2000cc

今回オイル下がり修理のエンジンはN46B20B、4気筒の排気量は2Lになります。

エンジンパーツを外すには専用工具(SST)が必要となります。SSTで固定してエンジンパーツを次々続々に外していきます。

バルブステムシールに辿り着くにはご覧のようにエンジンパーツを多く取り外す必要がある。本来バルブステムシールはシリンダーヘッドを降ろして作業するのだか、シリンダーヘッド脱着となると手間もかかる上、費用も高額になる。

画像だと分かり難いのでイラストを用意しました。

N46B20Bのシリンダーヘッドはどういう構造になっているかというとイラスト①からご確認いただければと。

①イラスト

次にイラスト②は吸排気バルブ構造になります。バルブは1シリンダーに吸排気4つの4シリンダーあるので計16個組付けてある。

赤丸の4番が今回交換する「バルブステムシール」で交換が16個交換になります。

②イラスト

特殊工具(SST)で技術料を抑えることができる

本来シリンダーヘッドは脱着して交換するのが一般的だが、今回はシリンダーヘッドを外さなくてもバルブステムシールを交換できる特殊工具(SST)を使用し交換を行う。このSSTはさまざまな車種にも対応できる。どのようにして使用するかというとプラグホールにエアーを送り、エアーの力で吸排気バルブを保持する、バルブを保持することでシリンダーヘッドを外さなくてもステム​シールを交換可能になるので技術料を抑えることができる。

1シリンダの吸排気バルブを交互にステムシールを交換していく。1シリンダーには4つのバルブがある。

ステムシールは計16個ある。慎重にステムシールを交換していく。

シリンダーヘッド上部にへばりついたガスケットの除去も忘れずにね。ガスケット除去が完了したら金属と金属が擦りあうところに組付けペーストを塗り、洗浄を終えたパーツを組付けていく。

組付け後はSSTを使用しバルブタイミング測定、バルブタイミングもSSTが必要だね。各シャフト、クランクと正確な位置にあるか確認作業する。最終点検が終わればバルブステム交換は完了となる。ちなみに取り外したパーツはすべて部品洗浄(スプラッシュショト)で綺麗に洗浄してから取り付けてます。

重整備はバッテリーを外しての作業になるので、組み上げ後にはISTA診断機で日時設定やエキセントリックモーター初期学習などいった各学習を行い、オイルレベルを確認してエンジンを始動する。試乗テストしたが、エンジン掛け始め、アイドリングからのアクセルONなどテストするが白煙は確認されなかった。

やはり今回の白煙症状は【オイル下がり】バルブステムシールが原因で起こっていたようだ。

バルブステムは車の使い方次第で前後するが、10万㌔を越えたあたりで交換した方がよさそうだ。

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ハッカイオートは法定点検から一般整備、故障診断やエンジンのオーバーホールといった重整備なドイツ車の「困った」を日々解決しています。ブログ内容は簡単に書いていますのでブログ記事を参考に整備作業はお控えくださいませ。

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